中小企業のAI検索対策、最初の30日でやること(チェックリスト付き)
AI検索対策(AIO・LLMO)は、大きな予算がなくても始められます。最初の30日で取り組みたいことを、1週目から4週目までの順番で整理しました。Google・OpenAI・Anthropicの公式情報にもとづくチェックリスト付きです。
執筆:Laugh Mind 編集部 監修:柴田 翔太郎(株式会社Laugh Mind 代表取締役)
「AI検索対策を始めたいけれど、何から手をつければいいかわからない」。そんな中小企業のご担当者に向けて、最初の30日でやることを順番にまとめました。どれも、社内のWeb担当の方が中心になって進められる内容です。
大切なのは、いきなり新しい施策を足すのではなく、まず「今の状態を知る」ことです。そのうえで、AIや検索エンジンが読める状態を整え、「何の会社か」をそろえ、お客様の質問に答える、という順番で進めます。
1週目:今の状態を知る
AIに自社のことを聞いてみる
ChatGPT、Gemini、GoogleのAIモードなど、お客様が使っていそうなAIに、次のような質問をしてみましょう。
- 「(社名)はどんな会社?」
- 「(地域)で(サービス)が得意な会社は?」
- 「(サービス)を頼むとき、どんな会社を選べばいい?」
答えは、日付・使ったAI・質問・結果を表にして残しておきます。AIの答えは日によって変わるので、同じ質問を、毎月同じ条件で聞くのがコツです。
| 日付 | AI | 質問 | 社名が出たか | 説明は正しいか | 引用されたページ |
|---|---|---|---|---|---|
| 10/29 | ChatGPT | 東京で採用サイトの制作が得意な会社は? | 出なかった | ― | ― |
| 10/29 | AIモード | (社名)はどんな会社? | 出た | 住所が古い | 掲載サイトA |
※記録のしかたの例です。
Search Consoleで「生成AI」の設定と表示回数を確かめる
Googleの Search Console では、2026年8月31日から、すべてのサイトで次の2つが使えるようになりました。
- 検索の生成 AI 設定:サイトを、AIによる概要・AIモードなどの生成AI機能に含めるかどうかの設定です([設定]>[検索の生成 AI])。初期設定は「含める」です。「除外」にすると、生成AI機能に表示されなくなり、回答の根拠としても使われなくなります。Googleは、この設定を通常の検索結果の順位には使わないとしています。
- 生成 AI パフォーマンス レポート:生成AI機能の中で、サイトへのリンクが表示された回数(インプレッション数)を、ページ・国・デバイス・日付ごとに見られます。クリック数や検索語句は、このレポートには含まれていません。
まずは設定が「含める」になっているかを確かめ、レポートで今の表示回数を控えておきましょう。
2週目:AIと検索エンジンが読める状態にする
AIのクローラーを止めていないか確かめる
AIの会社は、目的ごとに別々のクローラー(サイトを読みに来るプログラム)を使っています。サイトの robots.txt で、検索に使われるクローラーを止めていないかを確かめましょう。
| クローラー | 会社 | 役割 | 止めたときの影響 |
|---|---|---|---|
| OAI-SearchBot | OpenAI | ChatGPTの検索 | ChatGPTの検索の回答に表示されなくなる |
| GPTBot | OpenAI | AIモデルの学習 | 学習に使わないよう求める(検索の表示とは別) |
| ChatGPT-User | OpenAI | ユーザーの操作による取得 | robots.txtが適用されない場合がある |
| Claude-SearchBot | Anthropic | Claudeの検索 | 検索結果での表示と精度が下がる可能性がある |
| ClaudeBot | Anthropic | AIモデルの学習 | 今後の学習データから除外するよう求める |
| Claude-User | Anthropic | ユーザーの指示による取得 | ユーザーが指示した検索での表示が減る可能性がある |
| Google-Extended | Geminiの学習など | Google検索での表示や順位には影響しない |
※各社の公式の説明(2026年10月時点)をもとにまとめています。
学習用のクローラーを止めるかどうかは、会社の考え方で決めてかまいません。ただし、検索用のクローラー(OAI-SearchBot や Claude-SearchBot など)を止めると、AIの検索の回答に出にくくなります。制作会社や前の担当者の設定がそのまま残っていないか、一度確かめておきましょう。
本文が読める状態か確かめる
Googleは、生成AI機能に表示されるための条件として、まず通常の検索の技術要件を満たすことを挙げています。主なページがインデックスされているかを、Search Console の「URL 検査」などで確かめましょう。
見た目の演出のために、本文がJavaScriptで後から表示される作りになっていると、検索エンジンやAIが内容を読み取りにくくなることがあります。私たちLaugh Mindの会社サイトでも、診断をきっかけに、本文を最初からHTMLに入れる形に直しました。
3週目:「何の会社か」をそろえる
AIは、公式サイトだけでなく、掲載サイトやSNSなど複数の情報をもとに答えを作ります。社名・事業内容・所在地が場所ごとにバラバラだと、同じ会社として結びつきにくく、古い情報で説明される原因にもなります。
- 「何の会社か」を一文で決める:例「株式会社〇〇は、〇〇地域で〇〇を専門とする〇〇の会社です。」
- サイトの中でそろえる:トップページ、会社概要、サービスページで同じ言い方を使う
- 外部の掲載をそろえる:Googleビジネスプロフィール、SNS、業界のポータルサイトなどの社名・住所・事業内容を最新にする
- 会社情報の構造化データを入れる:Googleは、ホームページや会社概要のページに組織(Organization)の構造化データを入れると、「Google は組織の管理情報の詳細を把握して、検索結果で組織を明確化できるようになります」としています
特に、移転や社名変更、サービスの見直しのあとは、外部に古い情報が残りがちです。私たち自身も確かめたところ、移転前の住所が10か所以上の外部サイトに残っていました。
4週目:お客様の質問に答え、測る仕組みをつくる
よく聞かれる質問に、サイトで答える
営業や問い合わせでよく聞かれる質問を10個ほど書き出し、サービスページやFAQで答えましょう。料金の目安、対応できる範囲、進め方、選び方など、検討の段階で知りたい情報が中心です。
Googleは、AI向けの特別な書き方は必要ないとしています(「生成 AI 検索向けの書き方をする必要はありません」)。人が読んでわかりやすい文章で、結論から答えることを心がければ十分です。
毎月、何をどこで見るかを決める
| 見るもの | わかること | 場所 |
|---|---|---|
| AIへの定点の質問 | 社名が出るか、説明が正しいか | 1週目の記録表 |
| 生成 AI パフォーマンス レポート | GoogleのAI機能での表示回数 | Search Console |
| 「AI アシスタント」チャネル | ChatGPT・Gemini・Copilotなどからの訪問 | Google アナリティクス(GA4) |
| AI Performance | Copilot などでの引用の数 | Bing Webmaster Tools |
Google アナリティクスの「AI アシスタント」チャネルは、2026年5月13日に加わりました。ChatGPT・Gemini・Copilotなどからの訪問が対象で、GoogleのAIによる概要とAIモードからの訪問は含まれません(こちらは「オーガニック検索」に入ります)。
30日のチェックリスト
社内で分担するときや、進み具合を確かめるときにお使いください。かっこの中は、確かめる場所です。
1週目:今の状態を知る
- AIに自社のことを聞き、記録表をつくった(ChatGPT・Gemini・AIモード)
- 「検索の生成 AI 設定」が「含める」になっている(Search Console)
- 生成AI機能での表示回数を控えた(Search Console)
2週目:読める状態にする
- 検索用のAIクローラーを止めていない(robots.txt)
- 主なページがインデックスされ、本文が読める(Search Console の URL 検査)
3週目:「何の会社か」をそろえる
- 「何の会社か」の一文を決めた(社内)
- サイトの中の会社の説明がそろっている(自社サイト)
- 外部の掲載の社名・住所・事業内容が最新になっている(Googleビジネスプロフィール・SNS・掲載サイト)
- 会社情報の構造化データが入っている(リッチリザルト テストなど)
4週目:答えを用意し、測る
- よく聞かれる質問に、サイトで答えた(自社サイト)
- 毎月見る数字と、見る日を決めた(GA4・Search Console・Bing)
30日のあとに続けること
AIの回答は、一度整えたら終わりではありません。AIの仕組みも、ほかの会社の情報も変わり続けるためです。30日で土台をつくったら、毎月同じ条件で確かめながら、次のような取り組みを少しずつ積み上げていきましょう。
- 事例や実績、代表やスタッフのプロフィールなど、信頼の証拠を増やす
- プレスリリースや業界のメディアなど、自社サイトの外で正しく紹介される機会をつくる
- 確かめた結果をもとに、サービスページやFAQを直す
なお、AI検索対策として紹介される施策の中には、Googleが「必要ない」と明言しているものもあります。Googleが「やらなくていい」と明言したAI検索対策もあわせてご覧ください。言葉の違いから知りたい方は、LLMO・AIO・GEOは何が違う?をどうぞ。
Laugh Mindの「AIO・LLMOソリューション」では、この進め方を5つの領域で点数にする「AIO SCORE 100」で、初回診断と毎月の伴走を行っています。
参考・出典
- Google 検索セントラル「Google 検索における生成 AI 機能に向けた最適化のための Google ガイド」 ↗
- Search Console ヘルプ「検索の生成 AI 設定」 ↗
- Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」 ↗
- Google 検索セントラル ブログ「Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入」 ↗
- アナリティクス ヘルプ「デフォルト チャネル グループ」 ↗
- Bing Webmaster Blog「Introducing AI Performance in Bing Webmaster Tools Public Preview」 ↗
- OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」 ↗
- Anthropicヘルプセンター「Anthropicはウェブからデータをクロールしていますか?サイト所有者はクローラーをブロックできますか?」 ↗
- Google のクロール インフラストラクチャ「Google の一般的なクローラー」 ↗
- Google 検索セントラル「組織のスキーマ マークアップ」 ↗
この記事の監修者
柴田 翔太郎株式会社Laugh Mind 代表取締役
Webディレクターとして企業サイトやブランドサイトの制作に携わったのち、2021年に株式会社Laugh Mindを設立。企業・採用ブランディングから、Webサイトの制作・改善・運用、AIO・LLMO(AI検索最適化対策)まで、企業の魅力を伝えるための支援を手がける。
代表メッセージ →AIの回答で、御社は正しく紹介されていますか?
Laugh Mindは、AIO SCORE 100で今のサイトを採点し、次に何を直すべきかを整理します。30分の無料相談から始められます。
